一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「ミカリンは?外に出るの?」

ミカリンは眼鏡をぐいっと指で押し上げる。

「私は今のところ、東京の大学を目指すつもり。」

へええ!

ミカリン、頭いいもんね!

この前の模試でも文系トップだったらしい。

「もうみんな進路決まってきてるんだね…」

「もう三年の夏だもの。当たり前でしょ、そうだ、浅丘君はどこに行くの?」

あたしとミカリンの間に沈黙が流れる。

「まさか愛、知らないの?」

「…はい…」

ミカリンは目を見開いた。

実はあたし、浅丘君の進路知らない。

だって今までそういう話してこなかったし…

「聞きなさいよ!そこは!気になるでしょ?」

そりゃあ、そりゃあきになるに決まってます!

あまり彼氏彼女だからって何もかも話し合う必要はないとは思うけど、浅丘君の進路は気になる!

だけどもなかなか一緒に帰ることができず、そしてクラスも離れていて部活が終わった今、校内で話すことさえなかなか難しいのが現状。
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