一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
嵐のような二人だった。

「なんか久しぶりだね、一緒に帰るの。」

浅丘君はどうしてすぐにあたしにいってくれなかったのかな。

めんどくさいから?

頼りないのはわかってるけど、だけど…

「あのね、玲から聞いたんだけど…学割発行してたって…もしかして県外に出るの?」

自分でもびっくりした。

言いにくい、こんなことスラスラ言ってしまうなんて。

それくらいあたしは気になっていたんだ。

まだなんの覚悟もできてないけど、本当のことをとにかく聞きたいって言うはやる気持ちから。

浅丘君は少し驚いたみたいにあたしを見た。

そして静かに頷いた。

そのとき、あたしは何も考えられないくらいの変な気持ちになった。

そっか、県外に出るんだ…

もし合格すれば春からは浅丘君はいない。

「最後の試合のあと、スカウトが来たんだ。俺、高校では満足した試合とチームで終われたけど、やっぱりまだ挑戦してみたいって思った。」
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