一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season

目の前にいる浅丘君はびっくりしてる。

そりゃそうだよね。

さっき逃げたやつが戻ってきて、今度はいきなり告白してんだもん。

わけわからないよね、自分でもわけわかんない。

「だから、がんばりたい。一緒にいろんなこと、これからも乗り越えていきたい…です…」

こんな拙い言葉でしか言えないけど、これが本当の気持ち。

遠距離で離れる以上にあたしは浅丘君とのつながりを無くしたくない。

こんなに優しくて、明るくて、あたしを好きになってくれて。

「さっきはごめんなさい、でもあたし、本当に…」

浅丘君が近づく。

そしてぎゅっと、抱きしめられる。

あ、あ、浅丘君！？

「…よかった…俺、振られたって思った…」

振るなんてそんな…

そんなことしたら神様に怒られるよ！

「ありがとう、俺も同じだよ。愛とこれからもずっと一緒にいたい。距離的には離れても、俺の彼女でいてほしい。」

浅丘君の言葉の一つ一つが胸にストンと落ちてくる。