一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
さっきまで不安でいっぱいだった胸の中にジワジワ温かい優しさが広がっていく気がする。

そうだよね。

距離は遠くなるけど、心の距離は信じていれば、離れることない。

離れるかどうかなんて自分たち次第なんだ。

まだ始まってもないことを心配しても仕方ない。

それよりなにより、あたしは浅丘君のそばで浅丘君の彼女として、応援したい。

「…愛が俺に好きだって言ってくれたの、久しぶりだね。」

えっ!?

そうだっけ?

…そうなのかな?

あんまり言いすぎても重いって思われそうだから…

「俺も、愛が好きだよ。どうしよう、これから好きになりすぎて、おかしくなりそう。」

そう言ってはにかむ浅丘君。

この人となら、きっと大丈夫。

まだまだわからないけど、そばにいさせてほしい。

そう強く思った夏休み直前なのでした。
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