一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
三年生は合唱のみ参加だからその練習を放課後するくらい。

一、二年は展示やら劇やらで色々忙しそうだ。

遅くに帰ってくる直君を見てると去年や一昨年のことを思い出しちゃうな。

二年連続で実行委員をしたあたし。

最初はそのくじ運の無さを恨んだけど今となってはやってよかったな、って思う。

そのおかげで久住君や柚之木君とも仲良くなれたしね。

「愛ちゃーん!助けてよ!俺また今年も裏ミスコンにエントリーされそうなんだけども!嫌だよ!!俺そんなのでたら縁起悪くなって朝比奈大受かんないよ!!」

ガラッと勢いよく教室の扉が開いた。

「また来たわよ、もういい加減腹くくりなさいよ、園田君。」

ミカリンの辛辣な言葉に泣きそうに目を潤ませるあなたは完璧に可愛いとしか言いようがないです。

葉ちゃん…

それはもう、宿命なんじゃないかな。

だって本人は嫌がるから言わないけど、きっと様ちゃんよりも可愛い男の子なんて…

「んで、こいつはどうかな?」
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