一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
な、なに!?

なんか変…

早足になるとその人の足も早くなる。

ついてこられてる?

やだ、こわい…!

「一ノ瀬愛、さん?」

えっ…

誰?

暗闇から一歩歩き、街灯の下に照らされたその顔。

知らない、男の人。

背は高くて、すらりとしてる。

年はあたしより少し上くらい?

なによりもその、綺麗な顔。

「あってるんだ…あんたが…」

あたしのこと知ってるの?

どうして?

「俺が誰かわかんないって顔だね、そりゃそうだ。」

その人は少し笑うと、あたしに一歩近づいた。

「俺の名前は神崎皓、神崎って言えばわかんない?」

…この人、神崎先生に似てる。

そして、どことなく暁ちゃんにも。

でも同じ名字だけど、知らない。

「親父もひどいよな、俺のこと話してないんだ。」

親父って誠司さんのこと?

この人、いったい誰なの⁉︎

青白い月明かりがその綺麗で妖艶な目をキラキラと輝かせる。


「こんばんは、愛ちゃん。俺は君に復讐するために来ました。」




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