一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「あたし、ちゃんと知っておきたっかたの。暁ちゃんや唯ちゃんのこと。だけどしんぱいかけてごめんなさい。」

もう晧さんにはあわないほうがいいのかな。

東京で働いてるって言ってたし、もうすぐ帰るんだろうし…

りっちゃんは一応わかってくれたみたいだけど、あたしの心はモヤモヤを残したまま。



それから三日後、再び晧さんはあたしの目の前に現れた。

勉強の日々に戻りかけていたのにまた公園のベンチで座ってしまう。

頭の片隅にりっちゃんや浅丘君のことを思い浮かべながらあたしは腰を下ろした。

「俺、今週末東京に戻ろうと思う。」

やっぱり。

今回のこと、皓さんはちゃんと解決できたのかな。

「それでね、愛ちゃんに最後のお願い。聞いてくれる?」

なんだろう。

先に頷いてしまったあたし。

「ほんと?やった!」

皓さんの無邪気に笑った顔、初めて見たかも。

こんな顔して笑うんだね。

やっぱり子供みたいな、けどなんだか達観したような感じもするし不思議な人。
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