一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
それなのに別れようとしてるあたし、すごく馬鹿なんだよね。

一年生のとき、クラスで一人だったあたしに話しかけてきてくれた。

打ち上げに行く時、初めて手を繋いでくれた。

一緒に行った映画。

一緒に食べたご飯。

一緒に乗った観覧車。

一ノ瀬って呼び方から愛に変わったとき、この名前が大好きになった。

浅丘君が愛って呼んでくれるたびにあたしの胸は弾んで、嬉しくなって。

こんなに大好きな彼だから、こんなに大切な彼だからこそあたしはちゃんと解決して隣をまた歩きたい。

「まあ愛はなんか考えてるんだろうけど、1人で抱え込まないでよ。」

ほのちゃん、ありがとう。

「解決したらちゃんと話すね!」

「待ってるから、まったく、愛はほっとけないわ。」

あたしには待っててくれる人がいる。

それだけですごく頑張れるよ。
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