一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
りっちゃんにバレると面倒だからなるべく普通にしてたのに!

「人にあんだけうるさく言っといて、自分は簡単に別れるわけ?」

「別に簡単に別れたわけじゃないもん!あたしにはあたしの事情があるんだから…」

「その事情、俺にも話せないことなの?」

玲の目は起き抜けなのにしっかりとあたしを見据えていた。

「愛、1人で抱え込むのやめなよ、せめて俺くらいには話しなよ。」

…玲…!!!

なんだかんだ一番わかってくれるのは玲かもしれない。

本当の双子じゃないけどそれと同然に育ってきたあたしたち。

「ありがとう…」

「俺もモヤモヤするの、同じ部屋で不穏な空気出されたら。」

そんな空気出してた?

そしてそれから日が昇るまであたしは今までの経緯を玲に話した。

玲は口を挟むことなく黙ってあたしの話を聞いてくれた。

そして全てを話し終わった時、一言だけ。

「いいんじゃないの、自分で決めたことやろうとするの。頑張りなよ。」
< 218 / 408 >

この作品をシェア

pagetop