一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
少し浮かれてたのかも。

浅丘君と仲直りできて。

うん、きっとそう。

でもあたし、1日の夜から勉強してたのに。

苦手な数学や化学だって頑張ってきたのに。

センターへの不安がますます募っていく。

重い気持ちで家に帰ると玲が例の模試の結果を眺めていた。

「ただいま…」

「おかえり、なんか疲れてない?顔死んでるよ。」

あのね、顔死んでるよって…

「模試どうだったの?」

それ聞きます?

いや、察してよ!

「落ちてた…成績…」

「ふーん、そう。」

冷たい!!

今は優しくしてよ!

「玲は?」

「俺も少し下がってた。」

うんうん、いつも通り…

って!?

「うえ!?下がって!?」

「うるさい、変な声出さないで。」

す、すみません…

けど玲が成績下がるなんて!

しかもこの時期に!!

そもそも玲に成績下がるなんてことあるの!?

「まあこの模試は下がること多いって優兄も言ってたし。」
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