一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「来年から二人とも使うでしょ?この歳でお揃いはどうかなって思ったんだけど、まあたまにはいいかなって。」

玲が持ってるものをみると、確かにあたしと同じデザインの色違いの紺色のもの。

「ありがと、優兄。」

「よかった、本当におめでとう。」

「俺も!玲兄、愛姉、おめでとー!」

直君が机の上においたのはよく見るCDショップの黄色い袋。

「俺あんまりお小遣いないから、二人に一つなんだけど…今俺が一番好きなバンドのアルバム!」

「ありがとう!直君!」

さっそく帰ったら聴こうっと!

黒字に白い文字でcielってかいてあるオシャレなジャケット。

「ありがと、へえ、インディーズ?」

玲が言う。

「そう!この前初めてライブハウスに行ってさ、その時買ったの!めちゃくちゃかっこいいし、何よりボーカルの声が透明感あって綺麗なんだ!」

直君、バンドの練習に毎日忙しそう。

卒業ライブに出るらしく、毎朝大きなベースを担いで学校に通ってる。
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