一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「またおいでね、これからも愛をよろしくね。」

優兄、やっぱりあなたはオアシスだよ!

きっと今日は浅丘君にとってもオアシスだったに違いないよ!

「あたしお見送りしてくる!」

「気をつけるんだぞ!」

はあ、やっと静かになった。

「相変わらずお兄さんたち元気だね。」

「ごめんね、うるさくて…」

特に主にりっちゃんが。

「ううん、楽しかった。」

浅丘君がそう言ってくれるのだけが救いだよ…

吐いた息が空に吸い込まれていく。

今日は空気が澄んでて夜空には星がたくさん。

「愛、」

名前を呼ばれて隣を見ると浅丘君があたしの手をとった。

「…これ、まだ安物だし、いつか本物渡せるように頑張るから。…だから今はこっちに、つけていい?」

浅丘君の手があたしの右手の…

「…改めてお誕生日おめでとう。俺と付き合ってくれて、ありがとう。」

右手の薬指にはキラキラと光るものが。
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