一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「い、い、一ノ瀬…」

「先生…」

「っ…よく、よく頑張ったなぁ…!ほんと、あの大学に受かるなんて…」

先生!

それ少し失礼だけどね!

「ありがとうございます!面接指導とか、評論の書き方とかも。」

「それは担当してくれた神崎先生に言いなさい!けど本当におめでとう、努力が実ってよかった。」

こうやって自分のして来た努力を認めて褒めてもらえること、すごく嬉しい。

「愛、じゃなくて、一ノ瀬さん、おめでとう。」

職員室の奥から神崎先生も出て来てくれた。

「律君も喜んでたでしょ?」

「はい、ものすごく。」

あたしがそう言うと先生は苦笑。

「あとは玲君だね、きっと彼なら大丈夫だと思うけど。」

玲の努力はきっと報われるよね。

これからは玲の応援に徹しよう。

だって玲はあたしの大切な双子のお兄ちゃんで、辛いときなんだかんだ支えになってくれたから。

でも多分、そんなことしなくたってきっと玲は合格するんだろうけど。
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