一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
memory:26
いよいよ卒業式まであと三日。

今日は最後の登校日。

「愛、ちょっといいかしら…」

ミカリンがなにやら神妙な顔つきで席にやってきた。

「どうしたの?」

「相談があって…」

ミカリンがあたしに相談だなんて珍しい。

「実はね、デートに誘われたの。」

デートかぁ…いいな。

あたしなんて当分してない…

「デート!?」

「そうよ、さっきからそう言ってるでしょ。」

ミカリン、デートに誘われたって!

それって…

「彼氏できたの!?」

「ううん、違うわ。塾で一緒だった人。ほら、この前チョコ渡したって言ったでしょ。」

そういえばバレンタインチョコ作ったって言ってたっけ。

「両思いだったの?すごい!」

「違うの!…実はちょこあげたのもお礼なのよ。別に好きだからとかそういんじゃないのよ。なのに…」

またまた照れちゃって〜…!

でもミカリンの好きになった人ってどんな人なんだろう。
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