一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「愛のおかげよね、こうして皆でバスケできてるのも。」

あ、あたし?

「あたしはなにもしてないよ!」

「ううん、あたしたち、愛はすごいって思ってるから。」

ほのちゃんが言う。

「そうだよ、愛ちゃんがいてくれたおかげで俺も最後の試合諦めずにでれたもん!」

葉ちゃん…

あたし最近涙腺が弱くなってるんだから、今そんなこと言われちゃったら泣きそう…

「…ありがとな、一ノ瀬。」

久住君!

あなた本当に丸くなったね!

最初はすごく怖かった。

けど本当は優しくて、不器用なだけで。

「あーあ、優大が愛ちゃん泣かせた〜!」

「はっ!?俺!?」

「聡太に言わなきゃね〜」

ほのちゃんが楽しそうにニヤニヤする。

「おい一ノ瀬!泣き止め!」

「む"、むり〜〜!」

だって止まんないよ…

久住君や葉ちゃんが体験した苦しみや辛さはあたしなんかが話を聞くだけじゃ全然解決しない大きなものだった。
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