一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
それはあることがあってから。
喧嘩とは違うし、けどなんだか気まずいというか、何というか…
遡ること数日、卒業式の後バスケ部の部室で卒業記念パーティという名の後輩たちが企画してくれたお別れ会をした。
サプライズで三年間をまとめた感動的なムービーや愛奈ちゃんと沙耶ちゃん手作りのケーキなんかを楽しんだあと、あたしはほのちゃんたちに言われて浅丘君と二人で帰れることに。
いつもみたいにたわいない話をしながら帰るこの道も最後なんだな、なんて少しセンチメンタルに浸ってると。
もうすぐ家に着いちゃう、という曲がり角のところで浅丘君は押していた自転車を急に止めた。
「愛、あの、春休みさ、…どこか行かない?」
あたしはもちろん頷いた。
久しぶりのちゃんとしたデート、断る理由なんてどこにもないから。
だけど浅丘君の次の言葉であたしの頭の中は真っ白になった。
「…旅行、いかない?」
喧嘩とは違うし、けどなんだか気まずいというか、何というか…
遡ること数日、卒業式の後バスケ部の部室で卒業記念パーティという名の後輩たちが企画してくれたお別れ会をした。
サプライズで三年間をまとめた感動的なムービーや愛奈ちゃんと沙耶ちゃん手作りのケーキなんかを楽しんだあと、あたしはほのちゃんたちに言われて浅丘君と二人で帰れることに。
いつもみたいにたわいない話をしながら帰るこの道も最後なんだな、なんて少しセンチメンタルに浸ってると。
もうすぐ家に着いちゃう、という曲がり角のところで浅丘君は押していた自転車を急に止めた。
「愛、あの、春休みさ、…どこか行かない?」
あたしはもちろん頷いた。
久しぶりのちゃんとしたデート、断る理由なんてどこにもないから。
だけど浅丘君の次の言葉であたしの頭の中は真っ白になった。
「…旅行、いかない?」