一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「あたしも、旅行行きたい!」


ということがあったのだ。

決まったはいいものの、色々問題は山積み。

急に決まった旅行だから交通機関や宿泊先の手配、そもそもどこにいくかから決めなくちゃ。

浅丘君とメールのやり取りで行き先は新幹線で1時間ほどの場所にある大きな自然公園に行くことにした。

今の季節は梅の花が満開らしい。

すぐそばに温泉街もあるらしく、宿もたくさんあるみたい。

そしてもう一つ、あたしたちに立ちはだかる大きな大きな壁。

「お兄さんには俺から話すよ。」

浅丘君はあたしの返事の後、そう言ってくれたけど…

「ううん!あたしが自分で言うよ!」

りっちゃんのしつこさと恐ろしさは並大抵なもんじゃない。

それは浅丘君も今までの経験から重々わかってると思う。

しかも今回はただのデートじゃない。

想像しただけで頭が痛くなってくるけど、だけどあたし、隠して浅丘君と旅行に行くなんて嫌だから。
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