一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「旅行…かぁ。」

響いたのはお父さんの声。

「そっか、旅行…は、いいよな…」

う、うん?

お父さん?

「父さん!?」

りっちゃんは席を立ち上がる。

「浅丘君、愛と仲良くしてくれて、ありがとう。」

「はい…!」

「君はすごく悩んで、ここに来てくれたんだよな?愛とのこと、真剣に考えてるから、わざわざ家にまで話をしに来てくれんだよな?」

「はい!」

そうだよ、浅丘君はわざわざりっちゃんのことを気にして、家まで来てくれたんだよ!

「楽しんでおいで。」

…お、お父さん…!!

「父さん!!!なんで!?」

「律、愛はもう十八歳なんだ。いくら妹だからってそこまで厳しくする必要はないし、何より愛はすごくいい子た。疑うことなんてないだろう?」

優しく諭すようなお父さんになんだか感動してきちゃう。

「俺は愛を心配して…」

「律が誰よりも愛を大事に思ってるのはわかってるよ。愛だってわかってる。」
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