一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
memory:33
「あれ?愛早かったんだね。ごめん、湯冷めしてない?」

あたしより後に上がってきた浅丘君。

「顔、赤いよ?のぼせちゃった?」

わあ!

顔が近い!

ていうかいい匂いがする!

しかも浴衣!

鎖骨が!なんだか色っぽいというか…

いや!あたしゃ変態か!さっきからなんか変態なことばっかり考えてる。

いけないいけない!

「平気!お腹すいたねー!」

気を紛らわすように言うと、本当にお腹がぐるぐる鳴った。

今度こそ、あたしの顔は絶対真っ赤。

「お腹空いたね、…っ…ふふっ…」

浅丘君、もう思いっきり笑っちゃってください。

なんてタイミングのいいお腹なの。

部屋に着くと仲居さんがご飯を用意してくれていた。

一通り料理の説明を受けると、仲居さんはお辞儀をして出て行った。

すごい!

お刺身にお鍋に、お肉も…

「美味しそう!」

「豪華だなー、本当に美味しそう。」

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