一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「恵海ちゃんを迎えに来るって。」

するとほのちゃんはニヤッと笑った。

「うふふふ、よかったわね、愛!」


そして数分後、ほのちゃんの家の前まで来ると浅丘君が待っていた。

「そうちゃーん!」

浅丘君に気づくと恵海ちゃんが駆け出す。

「みんなありがとう。ほら、恵海もお礼言って。」

「お姉ちゃんたちありがとう!」

はあ、かわいい。

「恵海ちゃーん、ちょっとこっちおいで!」

ほのちゃんが手招きし、あたしに向かってウインクした。

こ、これは気を使ってくれたのかな?

でもどうすれば…

「愛、出発って俺の後だよな?」

「う、うん!浅丘君は明々後日だよね?」

いよいよ明々後日、浅丘君は家を出て大学の寮に入る。

「うん…だから、愛に会いたい。家族は家出る見送ってくれるから。だから、駅に来て欲しい。だめかな?」

そ、そんなの!

むしろいいの?あたしが最後で。

「行く!」

「ありがとう!…じゃあ、また明々後日。」

また、明々後日。

また、なんて言ってもらえることが当分なくなるなんて。
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