一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
そうそう、家を飛び出して行った直君、公園で泣いてたんだよね。

「最初はさ、家族なんてくだらない、つまんない、しかも俺とは血の繋がりもないのに、なんでそこまでしてくれるのかなって思ってたんだ。」

血の繋がり、それはあたしも一番傷ついて、気にした思い出があるから気持ちはほんの少しわかる。

高校一年生の時、あたしは唯ちゃんと暁君の子供で玲達とは本当の兄妹じゃないことが発覚した。

あたしもあの時は血の繋がりがないってことにショックを受けて、りっちゃんたちのこともどうすればいいのかわからなくなって悩んでた。

その時りっちゃんが言ってくれた言葉。

「愛は大切な妹だから。」

その一言にあたしの中にあったモヤモヤはなくなって、本当にこの家族の一員で良かったって思ったの。

「けど今はみんな、すげえ好き!」

「うん、あたしも!」

あたしも家族が大好き。

「でもさ!正直言ってりっちゃんが心配なんだよね。愛姉も玲兄もいなくなったら病みそう…」
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