一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「おはよー!あっ、今日和食!?」

「愛!今日は全部お兄ちゃんやるから!」

あー、起きてきた!

もう少し優兄との癒しタイムを味わいたかった、なんてね。

朝ごはんの後、最後の荷物を確認してスーツケースを玄関まで持って降りる。

「愛ー!出るまでまだ時間あるよね?ココア飲もう。」

三月とはいえまだまだ肌寒い。

優兄の気遣いはさすが!

「はあ、いよいよか…」

「りっちゃん泣かないでね!前の玲兄の時みたいにさ!駅で泣いたら目立つから。」

ほんと!

直君の言うとおりだよ!

涙ぐむくらいならいいけど、りっちゃんは号泣するからね。

「それは無理な話だな!だって、だって愛が…愛が!!!」

あーあ、もう泣いちゃってるよ。

「りっちゃん、一生の別れじゃないんだから。」

「けど!当分顔を見て話せない!考えるだけで寂しくて…あ!愛!毎日電話するんだぞ!ライン電話ならただだから!」

りっちゃん…

毎日は、正直…

「律兄、愛なら大丈夫だよ。向こうには真もいるし。夏休みになったらみんなで遊びに行こうよ。」
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