一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
SWEET♡MY HOME

「よーし、完成!」

ほのちゃんがあたしの肩に手を置いた。

「わあ!これ、…あたし!?」

鏡の中のあたしはいつものあたしじゃない。

まるで魔法がかけられたように、…

「フッフッフ…プロのあたしにかかればこんなもんよ!」

ドヤ顔ほのちゃん、さすがです!

「よし、じゃあまずは新郎さんに見てもらおうか!」

新郎さん、その響きにまだ慣れなくて顔が熱くなる。

「聡太ー!入っていいよー!」

ほのちゃんが扉の向こうに呼びかける。

あたしの心臓が速くなる。

「愛…?…っ…」

「なーに?あまりに綺麗すぎて言葉も出ない?」

「…うん。」

素直すぎる浅丘君。

そんな風に見られたら、あたしまで照れる。

「浅丘君もかっこいい…タキシード、すごく似合ってる。」

まるで王子様みたい。

今日からこの人が、あたしの…

「愛、浅丘君、じゃないでしょ。愛も今日から浅丘なんだから!」

ほのちゃん、それはなかなか慣れないの!

あたしもなるべく聡太君って呼ぶようにはしてるんだけど、とっさにはまだ名字で呼んじゃう。
< 404 / 408 >

この作品をシェア

pagetop