一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
SWEET♡MY HOME
「よーし、完成!」
ほのちゃんがあたしの肩に手を置いた。
「わあ!これ、…あたし!?」
鏡の中のあたしはいつものあたしじゃない。
まるで魔法がかけられたように、…
「フッフッフ…プロのあたしにかかればこんなもんよ!」
ドヤ顔ほのちゃん、さすがです!
「よし、じゃあまずは新郎さんに見てもらおうか!」
新郎さん、その響きにまだ慣れなくて顔が熱くなる。
「聡太ー!入っていいよー!」
ほのちゃんが扉の向こうに呼びかける。
あたしの心臓が速くなる。
「愛…?…っ…」
「なーに?あまりに綺麗すぎて言葉も出ない?」
「…うん。」
素直すぎる浅丘君。
そんな風に見られたら、あたしまで照れる。
「浅丘君もかっこいい…タキシード、すごく似合ってる。」
まるで王子様みたい。
今日からこの人が、あたしの…
「愛、浅丘君、じゃないでしょ。愛も今日から浅丘なんだから!」
ほのちゃん、それはなかなか慣れないの!
あたしもなるべく聡太君って呼ぶようにはしてるんだけど、とっさにはまだ名字で呼んじゃう。