一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
タオル事件から数日後、いよいよ明日は練習試合という放課後。

教室を出ようとして腕を掴まれた。

「久住君、どうしたの?」

「一ノ瀬、お前顔色悪いぞ?足元フラフラしてるし…」

「そんなことないよ…」

あれ?

けどなんか久住君の顔がゆらゆら揺れて…

真っ暗に…

「おい!一ノ瀬!おい!」



目を開けるとそこは薬の匂いがした。

「あ、目覚めた?」

れ、玲!?

なんで!?

「愛おぼえてないの?教室でぶっ倒れたんだよ。そんでなんだっけ、あのバスケ部のやたらデカイやつ…」

「久住君?」

「そーそー、久住が運んできてくれたんだよ。あいつらも最初はいたんだけどバスケ部試合なんでしょ?」

そうだ!明日は練習試合!

あたしも行って用意しなくちゃ!

「なにしてんの?もうすぐ律兄迎えに来るからこのまま今日は帰るよ。」

そんな…

「ちょっとでもダメ?」

「だめ。そんな白い顔して何言ってんの。」
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