一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
でも明日は試合なのに。

もう少しで引退だから絶対に行きたいもん!

あたしはベッドから起き上がり、保健室を飛び出した。

「愛!!」

もう!今度は何!?

って、この声は…

「ミカリン…なんで?」

「愛が倒れたって聞いたから、心配で。大丈夫なの?」

わざわざ心配して残ってくれたんだ…

あたし、少しでも疑っちゃって、最低だ。

「ごめんね、もう平気だから!」

「平気じゃないでしょ、とにかく今日は帰るよ。」

げっ、玲…

こういう時だけやたら厳しいところ、やっぱりさすがはりっちゃんの弟だ。

「明日の試合も休むこと。」

「えっ、明日試合なの!?」

ミカリンの目が暗い廊下で一瞬キラリと光った。

「うん…」

するとミカリンはあたしにずいっと近寄った。

「浅丘君も出るんでしょ?応援行くわ!」

あ、また…

早く言わなくちゃ、ちゃんと浅丘君とのこと。

「あのね、ミカリン…」
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