一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season

「嘘つき！わかってるのよ、あんたも所詮あの中学の時の女たちと同じなのよ。わかるのよ、私には。私が人よりもブスでデブだからってちょっとずつでも下に見られてることは！」

ミカリンの眉根はどんどん険しくなっていく。

「愛だって私になら浅丘君は告白オーケーなんてしないだろうって余裕ぶってたんでしょ！」

ミカリンは立ち上がった。

その表紙にミカリンのポケットから何か落ちた。

それは一枚の写真。

ミカリンが写真を拾うのと、あたしがそれに手を伸ばすのと、少しだけあたしの方が早かった。

信じたかった。

違うって。

それなのに、その写真は今、あたしの机の中にあるものと同じだ。

こういう状態で待つことにならなければ、お宝写真として宝物の一つにする写真。

「嫌がらせしてたの、ミカリンだったの？」

中学時代の浅丘君の写真。

キラキラした目で写真越しでもわかるくらいに楽しそうにバスケをしている。