一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「単刀直入にいうわ、私はあなたが好きなの。ずっと、中学の時から。私のこと覚えてないと思うけど…」

ミカリン…

「私が辛かった時、助けてくれたの。すごく救われたわ。ありがとう。」

ミカリンの気持ちが伝わってほしい、だけど浅丘君にはあたしの彼氏でいてほしい。

変な感情がグルグル回る。

「…ごめん、正直思い出せなかった。けど俺、相沢のことは卓球部で毎朝朝練してるところ見てたから、知ってたよ。それで思い出したよ。相沢頑張ってるから、俺も朝練頑張ろって思ったもん。」

そうだったんだ…

浅丘君の朝練はミカリンのおかげで続けれていたんだね。

「告白もありがとな、けど俺付き合ってる人がいるんだ。その子のこと、大切にしたいし、好きだから相沢とは付き合えない。」

…どうしよう、泣きそう。

浅丘君…

浅丘君…!

「うん、知ってる。いい子よね、愛。あなたには少し勿体無いくらいにね。」

えっ!?

あたしに浅丘君がもったいないんじゃなくて、あたしが浅丘君にもったいないの!?
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