一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season

「そうだ！もう一つ…嫌がらせ、は本当にごめんなさい。私、最低なことした。愛を傷つけた。もう友達に戻れないかもしれないけど、あなたは愛を大切にしてあげてね。」

「…それはだめだよ。」

浅丘君が言った。

「それは逃げることになるよ。愛にちゃんと謝って。愛のことわかってる相沢なら知ってるだろ？愛はきちんと向き合えばきっと友達をやめたりなんかしないよ。」

そして浅丘君はあたしが覗き見していた教室のドアの方にずんずん歩いて来た。

ガラリと開けられた扉。

「…聞いてたの？」

ミカリン、顔怖い！

「俺が呼んだんだ。嫌がらせのことを聞いた時は正直俺も許せないって思った。だけどちゃんと相沢の話を聞けてよかった。だから相沢もちゃんと自分の口から話しなよ。」

浅丘君はそういうとあたしの背中をポンと優しく押して帰っていった。

教室に残されたのはあたしとミカリン。

「ごめんね、盗み聞きなんてしちゃって…」

「ほんと、最低。」