一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
でもその微妙な葉ちゃんの違和感に浅丘君は一番に気付いた。

「聡太は心配性なんだよ、隠してたんだけど、でもやっぱり気づかれちゃった。昔からあいつに隠し事はできないんだ。」

やっぱり浅丘君はすごい。

葉ちゃんのこと、誰よりもよく見てて、誰よりもわかってる。

だからこそ、今回のメンバーについてもきっとコーチに申し出たんだと思う。

その気持ちをちゃんと葉ちゃんにもわかってほしい。

「浅丘君は葉ちゃんのこと誰よりも…」

「わかってる…!けど、俺、この試合だけは絶対出たかったんだ。だってこの先、あいつらとバスケできるかなんてわかんないもん。」

えっ?

どういうこと?

「俺は聡太や優大みたいに才能も身長もない。あいつらはきっとスポーツ推薦が来るくらいの実力があるけど、俺にはないんだ。わかってるんだ、だから本当にこれが最後なんだ。」

葉ちゃんの大きな目には涙が浮かんでいる。
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