一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
むしろ朝からこうやってあえて嬉しい。

「そうだ、葉から聞いた。色々あいつの話聞いてくれたんだよね?ありがとな!」

「そんな…あたしなんて話聞くくらいしかできなかったもん。」

「それでも葉、すげえ救われたって言ってたよ。やっぱり愛はすごいよ。俺ができないこといっぱいできるんだから。」

あたしが?

浅丘君の方が勉強も運動も何もかもあたしよりもできると思うけどな。

「浅丘君だってなんでもできるよ!」

「いや、俺なんてなんにもできない。」

浅丘君は苦笑いした。

「今だから言えるんだけど、昔言われたことあったんだ。つまんないって。」

つまらない?

浅丘君が!?

「確かに俺、誰かに嫌われたり、喧嘩したりするの苦手なんだ。できれば争いたくないし、だからよく先生とかには褒められた。いい子だね、えらいねって。」

浅丘君はいつもみんなの人気者。

明るくて、楽しくて、誰にでも平等に優しい。
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