一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
「結局俺は臆病者なんだ。昔から素直で言いたいこと言ってた涼太が羨ましいくらいね。」

それっていけないことなのかな?

誰かに嫌われたくないから、優しくする。

よくないことなのかな?

世の中にはいろんな人がいる。

浅丘君は優しい。

それは本当のことなんだから。

あたしは何度もその優しさに救われたよ。

初めて話しかけてくれて、こんなあたしを好きになってくれた。

「あたしは、浅丘君のそういうところ、好きだよ。」

…うええ!?

何を言ってるのよ、あたし!

好き、だなんて!

「ほら!優しくしてくれて嫌に思う人はいないでしょ?だったらその方がずっといいもん!それに浅丘君はまっすぐだし、意外とその、不器用、というか…そういうとこ、ちゃんと葉ちゃんや久住君はわかってると思うし…」

「…愛。」

!?

唇に柔らかい感触。

目の前には顔を真っ赤にした浅丘君。

3回目、の、…

「ありがと、愛。」
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