一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
そこからはとったり取られたり、なかなかヒヤヒヤする展開が続いたけどなんとか四点差で初戦を突破。

「よっしゃ、次も勝つぞ!」

水谷君が言う。

マネージャーは基本的に一人しかベンチには入れないから、こうして試合の合間合間にドリンクやタオルを渡したり、コールドスプレーをかけたりするのが仕事だ。

ほのちゃんがベンチでスコアボードや相手の特徴、みんなの今日の点数、分析などをしてくれている。

「ありがと!」

タオルを渡すと浅丘君が笑ってくれる。

その笑顔を見て安心できた。

きっと次も勝てるよね!

二回戦が始まるのであたしたちは二階の応援席へ移動する。

二回戦の相手は去年もあたったことのある洲崎学園高校だ。

かなりの強豪で去年はなんとかギリギリ勝てた相手。

それに今年はきっとあの人たちがレギュラーで出てくるはず…

「あっ、葉先輩入りましたよ!」

そう、中学時代の葉ちゃんに嫌がらせをして、久住君とトラブルを起こした高野修介。
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