一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
涼太君は少し離れた距離からボールを放った。

「やったーー!おにいちゃーーーん!」

恵海ちゃんが手を振ると今度はちゃんと涼太君は手を振り返した。

それからは三点、四点、と差をつけられつつ、でもなんとか取り返してが続いた。

だけど県内最強はさすがに手強い。

後半戦前には結構みんなバテていて。

「みんな疲れてますね…」

息も上がってるし、汗もすごい。

「ねえねえっ!みんな!」

さっきまで座ってた葉ちゃんが立ち上がった。

「俺ね、すっげえ楽しい!だから最後まで楽しもう!ね!」

底抜けに明るい笑顔はやっぱり葉ちゃんに似合う。

「楽しんで勝つんだよ、バーカ。」

憎まれ口を叩く久住君も笑ってる。

「そうだな、楽しんでプレイしよう!」



そして後半戦、とって取られてを繰り返し、いよいよ残り数十秒というところで向こうのエース、星野幸太君が連続ポイントを一気に六点。
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