一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season

やっぱり県内最強は手強かった。

だけど帰ってきたみんなはどこか清々しい表情で。

「お疲れさま！」

「おにいちゃんかっこよかった！」

恵海ちゃんの声かけに優しく笑いかける浅丘君。

けど、負けたんだ。

あたしたちの部活はこれでおしまい。

今日が引退の日になる。

「着替えたら一旦帰ってミーティングな。」

マネージャーは道具の片付け、選手は着替えに向かった。

「はあ、今日で最後かー、なんだかんだ言ってあたしマネージャー六年間してたんだよね。」

ほのちゃんがしみじみと言う。

「帆華先輩と愛先輩いなくなったらさみしいです…」

咲耶ちゃんがすでに泣きそうな声。

「愛先輩、ありがとうございました！あたし、もう優大先輩と聡太と葉先輩が一緒にバスケしてるところ見れないって思ってました。愛先輩のおかげです。」

愛奈ちゃん…

そんなこと言われたらあたしまで泣きそう…