一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
最初はりっちゃんに言われて半ば強制的に入らされたバスケ部。

だけど今はそんなりっちゃんに感謝するくらい、ここに入れてよかったって心から思う。

もしあたしがバスケ部に入らなかったら、きっとほのちゃんや葉ちゃんとこんなにも仲良くなれなかった。

久住君ともきっと話せなかった。

そして何より、浅丘君とこうして並んで二人で帰るなんて、できなかった。

「中学の時もさ、優大に怒られてるんだ。キャプテン決める時、優大の方が向いてるっていったら何言ってんだって…あいつ、本当に優しいよな。」

久住君は浅丘君のこと、本当に大切に思ってるんだ。

このチームはキャプテンをみんなで支えて、キャプテンにみんなで支えられてつくりあげたチーム。

「明日から受験生か…俺、涼太の練習とか観に行っちゃいそうだ!」

「きっと涼太君、喜ぶよ!」

夏が始まる前の季節、あたしは春日台高校男子バスケ部のマネージャーを引退しました。
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