恋愛最前線
「まだ飲む?」

「うん!飲む飲む!」

ノリノリの智身に やや 引き気味の 惣市…

「ビールとってくるわ」

下へ戻ると、何人かはその場に酔いつぶれて寝ている物、

どこか適当に部屋を割り当てられてるのだろう。
兄の姿はなかった。
もちろん ヒロコも。


惣市は ビールを3本もつと 再度 2階引き返した。

途中…

2階の入口近い部屋から 人の声が聞こえた。

正確には、

多分。兄とヒロコの 声…というか 息遣いだ。

惣市は、興味深々なのを 我慢して…


部屋に戻る。


智身は、ベッドにもたれて 寝息をたてていた。
「あーあ」

惣市は、彼女を ベッドに横にして… 夏ようのタオルケットを かけた。

結局 一人で飲む事になってしまった。


缶ビールのプルトップを開ける。

プシュっという 音と共に 少し 泡がこぼれる。

「ん…」

智身が 声を出している。

「うーん…」

惣市は、近寄る。

「だいじょぶ?」
「…お水…うっ…」

惣市は水を持ってくる。

「ありがとう…飲み過ぎた…あぁ…」

「吐く?」

「だいじょぶ…」

「オレまだ起きてるから、気持ち悪くなったら呼んで」

「ありがとう」

智身は、また 横になる…

「まだ飲んでるの~?」
ベッドから、彼女が話し掛けた。

「うーん。もぅねるょ少ししたら」

「あたし…部屋もどるょ…」

「いーよ。オレソファあるし。部屋も一杯あるから」

惣市は笑った。

「だめだ…気持ち悪いかも…」

「わかった」

惣市は智身の肩を 抱えると バスルームに向かう。


途中…
宏次朗たちの部屋の前を通らなければならない…

雰囲気の違う 物音に 彼女も気付いたらしい…


「水たくさんのんで、吐いちゃいなよ。」

惣市はトイレの外で、待っていた…。

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