恋愛最前線
まさかの出来事
「大丈夫?もっと、水いる?」

「うん、ダイジョブになってきた・・・」

少しして、彼女はトイレから出てきた。

惣市は、用意していた胃薬を渡した。

「シャワーしちゃえば?」

「うん、ありがと。そうする」

「俺、部屋にいるわ」



部屋に戻り、ゆっくり飲み始める。

ドアが開く。智身ではないはずだ。


「おい、どうした?」

宏次郎だった。

「なにが?」

「なんか、がたがたしてたから。誰か、風呂使ってる?」

「しらね。てか、がたがたうるせーのそっちだから」

宏次郎は、しかたねーだろうという感じで、

「ま、なんいもねーならいいや。お前も飲みすぎんなよ!」

そういって、出て行った。


・・・また、やるのか・・・。

15歳 少年には、堪らない・・・。


20分位して、智身が戻ってきた。

自分のパジャマに着替えている。


「シャワーありがと。すこしお酒抜けた・・・ごめんね」

彼女は、惣市の座るソファの脇に座る。

「なんか飲む?」

「だいじょぶ」

惣市は、チョット待っててといって、下から、水とオレンジジュースを持ってきた。

「2日酔いに、糖分はいいみたいよ」

「ありがとう。うん。おいしー」

「酒、弱いでしょ?」

「うん。めちゃめちゃ」

2人は大笑いした。

「みんな、おいしそうに飲むから、つい飲んじゃうけどね・・・ホントはおいしくない」

智身はオレンジジュースを飲み干す。

「コッチのほうがおいしい」

そんな、年上の彼女を、一瞬かわいいと、彼は思った。
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