恋愛最前線

夢かまことか…

「ん…ん」

暑さで、彼は目覚めた…
隣りには、誰も居ない。
部屋のビールの缶などは片付けられている…。
夢…だったのか…


昨日の出来事は、夢か…。

いや、違う…。

彼は、全裸で寝ていた…。

体に 自分の匂いとは違う匂いが ついているようだった…。


彼の手にも、彼女の体の感触が残っていた。


惣市は、着替え…といっても 昨日のTシャツにハーフパンツをはくと、下のリビング キッチンへ向かう。



昼過ぎだった。

宏次朗たちは 既に 活動しているらしく、仲間たちの姿はない。


昼食をとりに 全員が戻ってきたようだった。

「おーす。はよ」
宏次朗が、話しかけて来た。

「はよ。何かつくんの？」
惣市もお腹が減り出していた。

「昼だから適当だけどな」


女子たちがキッチンで既に、作り始めている。

「オマエ、手伝って来てよ。オレら夜の買い出ししてくるわ」

「わかった」

「なんかいるもんある？」

惣市は
「昨日の肉」

宏次朗は笑った。

「わかったよ。女子たちー！なんかいるもんあるー？」

「お菓子とアイス」

洋子が叫んでいる。


「あとは～？」


特にみんな要らない様子だった。

宏次朗と他2人は宏次朗の車で出掛けて行った…
「また止まるな」
心の中で惣市は 思う。

洋子とユミコは、外のテーブルをセッティングしている。

中ではヒロコと智身が何か作っていた。

「俺なにすればいい？」
ヒロコは智身と顔を見合わせると

「特にすることないなぁ」と笑った。

智身が
「座っといてえぇよ」

と言う。

昨日のことを、何ともおもっていないのか…

覚えていないのか…

それとも、やはり 夢だったのか…


なんせ、ヒロコがいるから、話をしたくても出来ない。


惣市は、コーヒーを作ると ソファに横になった。

たまに、キッチンを見る。

何回かに1回 智身と目があった…。

明らかに、自分を気にしている…

昨日のことは、夢ではないし、彼女も忘れてはいない…