恋愛最前線
少しして…ヒロコが宏次朗を呼びに来る。

宏次朗も、ヒロコの跡を追って、寝室へと姿を消した。


アキヒロと惣市は
文句をブツブツいいながら。

庭のゴミを片付けて中に入る。


洋子と智身が残っていた。
「4人で飲み直す?」


誰からともなく。

惣市はお腹が空いて来た…
キッチンへ向かうと。
智身もやってきた。

「どうした?」
「腹減ったから…」

「座っといて。なんかつくるょ」


惣市は洋子とアキヒロと3人で、乾杯しなおした。

「惣市くんて、全然宏次朗と似てないな」

アキヒロが言う。

確かに、宏次朗は父似。惣市は母似だった。

「彼女いるの?」

ニヤニヤして洋子がきいてくる。

このメンバーとも3度目の夏だ。

「…まあ…一応は」

チャ~ハンとクラッカーとチーズを智身が持って来た…

「智身~惣市くん彼女いるってさぁ!あたしらもがんばらないとね。やばいわ」

洋子の言葉に 惣市と智身だけ 敏感だった…

「15歳は、もう経験ずみ?」

洋子は遠慮なしに、惣市に絡む。

酔いも周っているのだろう。


惣市は洋子の質問に答えず、智身の作ってくれたチャ~ハンを食べようとする。

智身がチャーハンを取り皿に取り分ける。

「はい」

「あんがとぅ。イタダキマスッ」

んめぇ。

惣市と智身の間に流れる空気に 洋子は敏感だった…。

「アキヒロくんは?」
智身はアキヒロにも聞くが、アキヒロは

「ありがと。だいじょぶ」


「なんか、智身と惣市君仲良くない?ねぇ、アキ?」


「ん?」

「男にはわからないかもね…」

「ようこっっ」
智身は、洋子の脇腹をつつく。

「3度目だし…」

惣市は、チャーハンをかきこみながら、洋子に答えた。


「あー。あと一週間かぁ。休みは早いわぁ」

アキヒロはあくびをしながら、叫んだ。


「私シャワーしてくるわぁ」

智身は、席を立つ。


アキヒロもタバコを買いに、コンビニにへ行くと出掛けて行った。
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