恋愛最前線
洋子と2人。

「で、どうなの?15歳~」

「済みだよ。うるせーなぁ。プライバシーの心外だ」

「アハハハ!アハハハ!」

「なにか?」

「いやいや。ほんとでも、君かわいいよね。いい顔してる」


洋子が、惣市の顔に近付く。

「宏次朗とにてないもんね」


惣市は、気にせずチャーハンを食べている。


ソファにあぐらをかいていた洋子は、クラッカーとチーズに手を伸ばす。

かなり酔っているから、体勢を崩して、ローテーブルに突っ込む感じになってしまった。


辺りには グラスや缶が散乱する。


惣市は、

「あー。あー。おい…だいじょぶか…」

洋子をテーブルから抱き抱えると

ソファに座らせようとしたが、彼もまた、辺りに散乱した 缶やゴミに脚をとられて、彼女をソファに押し倒す形に…


「キャッ!」

「キャッじゃねーょ」

体勢が悪すぎて、なかなか惣市は起き上がれない。

彼女の背中の下に 彼の左腕が、入り込んでしまっている。

洋子も酔っていてなかなか 起き上がれない。


タイミングは悪い…。

そんなこんなしている所へ、風呂上がりの智身が戻ってきた…


「…あ…」

智身と惣市は同時に声を出す…。

「違うの。ちょっと…おいっ」

智身は、そのまま 部屋へ戻ってしまった…。

惣市は、力一杯で洋子の体勢を戻す。

「アハハハ!ごめんごめん」

「だいじょぶ?オレもう戻るからね」


一刻も早く 智身の誤解を説かねば。


惣市は彼女の部屋をノックする。


「いないの?」

なかからは、声は聞こえない。

ドアノブに手を掛けた。
開ける。

真っ暗だ…。

部屋にはいない…。

別荘の部屋をくまなく探すが、智身の姿は見えない。

「はぁ…」

惣市は 外を探しに行く。

玄関を出て 道路の方に向かうと。

彼女の声が聞こえる。

そして、アキヒロの声も。
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