恋愛最前線

「岩倉…悪かった。あんなことして…」

智身は

「私にじゃなくて、明日彼に謝って」

そう言って アキヒロを特に責めたりはしなかった。

「…本気なのか？」

「言わなきゃいけない？」

アキヒロは黙る…

「…いや。ただ…俺も岩倉のこと好きだったよ…ここ最近信一たちに言われて…気が焦ってた…」

「ありがとう。気持ちは嬉しいよ。応えられないけど…」


「…ごめんな。あいつにも明日は謝るよ…」

「…おやすみ。明日病院ね」

智身は、リビングを出ると、惣市の部屋へ向かう。

ドアを開ける。

部屋は真っ暗だ。

月明りが、とても綺麗だ。

ベッドに横たわる彼に
「寝た？」

窓から気持ちの良い風が入る。

「寝てないよ」

智身は、ベッドに座る。
惣市は壁側に顔を向けていた。

「痛い？だいじょぶ？」
「アイツの方がいてーよ…アイツかなり手加減してる…」

「うん…。」

「俺あーゆーとき、止まらなくなる…」

智身は、惣市の背中を抱き締める…


「あとね。洋子さんのは、本当に偶然だから…」
「…ごめん。びっくりしちゃって…」

「でも、あれがなければ。こんな怪我オレもあの人もすることなかったし、…」

「助けてくれてありがとね…。本当に…怖かったから…ずっと友達だとおもってたひとに…あんなことされたら…」

後ろ向きの惣市に
智身は、こっち向いてと言う。

惣市は、向きを変える。
彼女の顔を見る。

「腫れてきた…冷やそうか…」

智身は惣市の顔を優しく撫でる…

「だいじょぶだょ。慣れてる。笑」

自分の顔を触れる彼女の手に自分の手を重ねた。
「…俺のせいで、あんなこと言われて…ごめんね…」

「なんで惣市君が謝る？私たち悪い事してないじゃん」

「…恥ずかしい思いさせてる」

「私…アナタと付き合う事恥ずかしいなんて思ってないよ…」

「…」

「惣市君が思ってるの？」

「思わないよ。全然…てか。まぢで俺でいいのかって…」

「…じゃあ…やめようか…」