恋愛最前線
「どうしたの?」

智身は

「いくら男でも山道一人じゃ危険だから…ハァハァ」


「ハァハァしてる…アハハ」


「久し振りに全力疾走した…アハハ」


2人は歩き出した。

車で30分…

歩きなら余裕で2時間は かかる。


「いーよな。大学生って」

「そう?」

「楽そう」

「サークルとか?」

惣市はセブンスターを取り出して 火をつける。

「15歳のくせに」
智身はやめたら?と言った。
「20でやめるから」

「あたしも欲しい」
惣市は、煙草を取り出す。
2人は立ち止まり、煙草をくわえる智身に火をつける。

「吸うんだ?」

「たまに。ふぅ~」

「あのサークルは、好きとかないの?」

「うーん…。ヒロコと宏次朗くんは確定。あとは、どうかなぁ」

惣市は、
「じゃ、オレにもチャンスありかぁ」

「ポジティブだね…」

智身は、惣市のポジティブさにうけていた。

「あー。まだまだつかねーな。彼氏いんの?」

「すごい…会話飛んでるよね?」

噛み合わない2人の会話。

「今は、いない…。そっちは?」

「俺も居ない」

智身と惣市は、コレが3度目の葉山での出会いだった。

「ねぇ、なんでいつも一人で来てるの?

彼女は、彼に尋ねた。

「彼女が、たまたまココ来るときに、いない・・・」

智身は笑う。
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