恋愛最前線
30分と少しして、明良が惣市の部屋に戻ると、さっきの張り紙がはずされていた。

明良が中に入ると、2人は何事も無かったように、勉強をしていた。

「女って。こえー」

明良の心の声・・・。


2人は、智身の手伝いを受けながら、割とまじめに宿題をこなしていった。

時計は、午後7時。

「あーおれ、もう、疲れたからかえるわぁ・・・」

「飯食ってけばいいじゃん」

「食欲ないっす・・・。まだ、半分もアンだぜ~」

確かに・・・。


「智身さん、ありがとうございました。すげー助かった」

「いいえー。またね」

明良、惣市の家から、自転車で10分くらいだ。



「私も帰るかなー・・・」

「飯食ってけば?」

「いいよー。悪いもん」

「悪くねーよ。絶対、フミさん3人分作ってるよ」

2人はダイニングへ向かう。

「フミさん、飯~」

智身には。ダイニングに座りなといって、

オレンジジュースを持ってくる。

「坊ちゃん、私、明日は来ませんからね。ソレと、きょうはもう帰りますから、洗い物は、洗浄機に入れて下さいよ?」

フミは、夕食の準備をし終えると、帰っていった。


ビーフストロガノフと、サラダ、コンソメスープ。


「いつも、こんな感じなの?」

「何?夕飯?」

「うーん、全体的に・・・」

「だね。兄貴はずっと居ないし。親父はたまーにしか帰ってこないし。フミさんが、2日に1回来るよ」

「寂しくない?」

惣市は、こんな生活、4、5年してるんだから、寂しいとか無いよと、言う。

「私なら、さみしいだろうな・・・」


智身は、食事に口をつける。

味はとても、おいしいのに・・・。

何かが、足りない。

惣市を見ていると、ソレがなんなのか・・。

彼女にはわかっていた。
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