恋愛最前線

その頃…

智身の方では…

第一の波がやってきていた…

いつもの4人で これからどうするかを校門近くではなしていた。

見たことのある黒塗りのベンツが止まる。

更に 見たことのある男が こちらに向かって歩いてくる。

正確には 智身に向かってだ。

「失礼します。先日、おあしていますね。今、お時間ありますでしょうか？」

彼は 改めて 名刺と共に 挨拶をした。

株式会社 江戸川グループ

秘書部室長 矢島 英二
と名打ってある。


彼の事だ…。

智身は ヒロコに ごめん あとで電話する と言うと、矢島のあとをついてゆく。

矢島は、後方ドアを開ける。

「どうぞ」

智身は、言われるがままに… 車内へ足をいれた。


奥には、既に先客がいた…。

ヒロコは、ようやく 矢島の顔を思い出した。

すぐに宏次朗に電話をいれるが、留守電に切り替わる。

役立たずだと思いながら、留守電にメッセージをいれた。


「わたし。智身があんたの会社の人に連れてかれた！電話して」