恋愛最前線
「笑い事じゃないよ、まぢで…。なんでかなー」

彼は、タバコを踏み潰して、吸殻をポケットに入れる。

「振ってるの?振られてるの?」

「ねぇ、楽しんでるべ?」

「ちょっと」

惣市は、彼女の、胸を掴んだ。

そして、次の瞬間には、全速力で走り出した。

「ちょっとー!!」

智身も彼を、追いかけた。

彼も彼女もサンダルだったから、2人も少し走ると、転んだ。


全力疾走していた、彼の方がかなりの勢いで転ぶ。


「いってー!!!!」

「大丈夫?」

智身が駆け寄ると、

彼のすねは、アスファルトですりむけて、血が流れ出していた。


「やだ、ひどい・・・。チョット待って」

彼女は、かばんからタオル地のハンカチで、汚れを落とす。

「いいよ。大丈夫。帰ったら、やる。ファックだ・・・」

「痛いでしょ?我慢できる?」

惣市は、智身を見つめて、

「キスしてくれたら・・・」

にやりと笑った。

彼女は、タオルの上から傷口をたたくと大丈夫そうだねと言った。



1時間した頃に、やはり 遅すぎるときずいた、宏次郎たちと連絡は付いたらしく、

途中で、智身と惣市は先に、拾われた。




「ふざけんな、ポンコツ車」
惣市は、宏次郎の腹にパンチを入れた。

「悪かった、ってか、どうした足?」

宏次郎は、惣市のすねに目をやる。

「転んだ」

宏次郎は、

「とろいな」

惣市の頭を腕で、掴んだ。

「オマエの車が止まらなけりゃ、俺が転ぶことはなかったのだ」


確かに、そういうことになる。

宏次朗は、
「オマエ…頭いいな」

「ほめられてもうれしくない。痛いからな」
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