恋愛最前線
しばらく待つと 惣市が明良と共に 校門から 出て来た…


車に気付いた、惣市。

明良… 走るぞ


惣市は 明良の肩を叩いた。


そして全力で走る。

「社長、逃げますよ」
「…馬鹿が…追え…」



矢島は 力ずくで
「話し合いですからっ!」
惣市を、車内へ引っ張り込む。

「離せよっ!」

「座れっっ」

中から怒鳴り声が響く。
久し振りに聞く 父親の声だ。

惣市は、膨れっ面で 座る。

「なんだよ」

「こっちがききたいな。甘やかしすぎたようだ」

「ああ?」

「あの女とはもう会うな。以上だ」

物凄い 身勝手な 一方的な話で…

「なにゆっちゃってんの?」

「日本語がわからんほど馬鹿になったか?」

「なんで、今さら俺に構う?ほっとけよ。今までみてーに」


「…無理だ。諦めろ。今のうちなら、傷も深くない…」


惣市は、話し合いなんて ない と思った…


何を こんなに 父親が騒いでいるのか…


「降りろ。自力で帰れ」父親は 自宅まで 少しの所で彼を降ろす。

「おやじ。俺はあきらめねーよ。じゃあな」

惣市は、ポケットから 携帯を取り出した。


智身からメールがきていた。

かけ直す。


「もしもし?」

「惣市くん?」

「そっちにも行ったでしょ…。どこ?」

「うち」

「行くわ…」

「うん…。きをつけて」



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