恋愛最前線
「…そうか…。やっぱりあそこまでの会社作る人だな…懐が深いや。オマエも見習えや。じゃあ、いいだろう。仕事は、学業優先な。時給は800円だ」


「ありがと!おじさんっ」
惣市は、明良に礼を言う。
「オマエ、良くあんな嘘つけたな…」
「バレたらバレただろー。アハハ。まっ、オマエが金に困るのを見ているのが楽しいです!明日からガンバレ!」

「テメェ…。今回は…ありがとうだが…いつか…」
「ん?なに?」

「…なんでもないです。ありがとうございました…」

かくして。

惣市は、収入源を見つけた。


智身のマンションでの2人の生活はこうして始まった…。


宏次朗は そのころ。

智身を通して、また 矢島を通して、なぜ いつもは無関心の父親が 今回ばかりは あんなにも 動揺しているのか…


調べていた…。


もちろん。


片腕の矢島は 口は割らない。


何か あるはずだ。


そして、ある事実に たどり着いた。


驚くような出来事だった…。


「岩倉」

構内… 学部の違う宏次朗は、広いキャンパスの中 智身を探していた。

「電話すればよかったのに…」

「…俺が電話わすれた…笑」

「アハハ…。ヒロコ怒ってたよ。電話繋がらないって。学食にいるわ」

「あとででいいや…笑」
「電話貸すから。ヒロコに電話してあげて」

智身は自分の携帯からヒロコに電話をする。

「はいー?」

「あ。俺」

「なんで智身の携帯から~?」

「携帯忘れたんだ。岩倉に話す事あって、とりあえずおわったら電話するよ」

宏次朗は電話を切ると、
座るか…

キャンパスのベンチに腰掛ける。
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