恋愛最前線

「間違いないと思う。話に多少の尾ひれがついてるなとは思うけどね…」

宏次朗 惣市の父
江戸川 道弘

智身の父
岩倉 泰造

智身の母
やす代

今は亡き 母
江戸川 芳江

4人は なんと 同級生だった…。

4人とも同じ学部で、個人的にというより、全員で仲が良かった。

もう、20年以上昔の話だ・・・。

泰造も道弘も芳江に恋していた。

芳江も、道弘ではなく 泰造に惹かれていた。

泰造は地元の名士の息子で

芳江の家も家業を営む家柄

そしてやす代の家も 老舗の旅館…

何もないのは、道弘だけだった。

何もない上に 好きな女まで、手に入れられないのかと…

姑息な手段で、
芳江を手に入れたのだろう…


以来 親友関係は崩れた。

簡単にまとめると このような内容だった。


だから、もし 自分の大切な娘の相手が、自分の息子だと分かれば、泰造が許すわけなどないと…
そう思い、先回りして、惣市の痛みが少ないうちにと…


今も こうして 引き離そうとしているのだ…


「…びっくり…言葉が、出ないってこうゆう時に使うんだね…」


「…な。うん…」

「しかし、江戸川くんよく調べたね～」

智身は拍手した…。

「これだ。これ」
宏次朗は指で円マークを作って 笑った。

「ほんとは？」

「まあ。いろいろね…」
確かに、この短期間でここまで詳しく 20年以上昔の話を調べるには 興信所みたいなと頃を 利用したのだろう。



「…どうする？」
宏次朗が、答えようもない。正しい答えなどない事を 聞いて来る。

「私達には、大きな事じゃないけど…。親の気持ちまではわからない…ましてや30年くらいの話やん…」

「俺もそうおもうょ…」
「…でも、良かった良かった。あなたのお父さんの事、勘違いしたまま過ごさないでいいんだもん…最初、すっごく最低やと思ったしな…。でも、惣市君ちゃんと愛されとるのわかったから…」