恋愛最前線
親心 子心…
道弘は、矢島からの報告書をくまなく目を通した。

「惣市さん、頑張っていると思いますよ・・・」

「あぁ。矢島、ご苦労様。ありがとう」

「いえ。また、何かありましたら、お呼びください」

矢島は、一礼して、部屋を出て行った。






一方、惣市は、明良のところで働いた初給料が出た。
封筒の中には、48000円。

彼は、渋谷に向かい、アクセサリーショップに寄る。

「プレゼントですかぁ?」

甘ったるい声で、店員が寄ってくる。

こういうのは、うざくても、女に任せたほうが多分、正解なのだろう。

48000円のうち、3万は取っておかねばならなかった。

「2万までで、ネックレスとかありますか?」

「うーん、かのじょにですかー?」

しゃべり方が、思いっきり気に入らなかったが・・・ぐっと堪え・・・

「そうだよ。わかんないから」

「いくつくらいですか?」

「うんと、・・・20くらい」

「20くらいかぁ・・・。こんなのどかな?」

ホワイトゴールドのチェーンに、ハートのモチーフと小さいがダイヤが埋め込んである。
「セットで、ピアスつけても、2万でおつり出ますよ~」

「うん。じゃ、それで」

「少しお待ちくださいね。あ。カード入れます?」

「カード?」

「メッセージカードです」

少し考えて。

「お願いします」

ラッピングの時間に、店員の女子が
「もしかして、年上の彼女さん?」

「まぁ・・・」

「私も、年下の彼氏なんです。高いものは、買えないけど。こういうプレゼントって、自分のために選んでくれてる気持ちとが嬉しいんですよね・・・。はい!お待たせしました」

惣市は、おしゃべりな店員に、ありがとうといった。

今度は、もっと高いものを買えるようになるよ・・・と。

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