恋愛最前線

すれ違い・・・

惣市は、そのまま出てきてしまったから、財布も持たず・・・かろうじて携帯がポケットに入っていた。


明良？　兄貴？　・・・

行き場所が無い。

仕方なく、１ヶ月ぶり以上に我が家へ帰る。

タクシーを拾う。

「松濤１丁目」

「はい。かしこまりました」

家に着くと、家政婦のフミがいた。

良かった、鍵も全部、マンションに置いてきてしまった。

「あらあら、坊ちゃん、おかえりなさい」

「ただいま」

「ご飯は？」

「食べた。部屋にいるわ」


惣市はベッドに寝転がると。

なんで いつも 俺は 冷静に話せないのか…

自分に腹が立つ。


携帯を見る。

着信もメールもない。

智身も 惣市も…

今日は こんな日になるわけじゃなかった…



疲れた…。

今までは自分の事など 興味を示さなかった父親が 突然 豹変したように 干渉してくること。


良かれとおもい、バイトをした事…


何も 良い方向に すすんでいないじゃないか…

翌日から、彼は 学校にも バイトにも 行かなくなった。


携帯の充電器もない。

もぅ いいやあ…

全て 投げやりになっていた。


3日も無断で学校を休んでいると、さすがに 矢島が家にやってきた。

智身と共に…